お知らせ
- 2024.12.20
- 「最小の病原-ウイロイド」を刊行しました
- 2024.10.30
- 「弘前医学 第75巻第1号」を刊行しました
- 2024.09.13
- 「電子情報工学実験Ⅱ ~実験の手引き アナログ回路・デジタル回路~」を増刷しました!
- 2024.09.04
- 「Radiation Environment and Medicine Vol.13 No.2」を刊行しました
- 2024.08.21
- 「白神どうぶつ讃歌」が新聞(東奥日報社)で紹介されました!
2024年度 上半期 TOP20
2024年度 上半期の書籍出荷TOP20のご紹介です。(集計期間: 2024年4月1日〜2024年9月30日)
- 地域からの考古学 弘前大学の挑戦
- <編集者イチオシ!>
2021年に北海道・北東北の縄文遺跡群が世界文化遺産に登録されて以降、この地域の考古学に対して関心を持つようになった人も多いと思います。とは言っても、弘前大学が、本書で紹介されているような貴重なコレクションを所蔵し、また、長きにわたって地域の遺跡の調査を行ってきたということは、あまり知られてはいないのではないでしょうか。かくいう私も、『地域からの考古学』の編集に携わり、初めて、弘前大学の考古学研究がいかに地域に密着し、青森県全体の考古学研究を牽引してきたかを知りました。同時に、青森県内に、これほど多くの遺跡があり、そのいずれもが、太古の人々の生活の営みを現在に伝える貴重な資料となっているということにも感銘を受けました。 本書には、考古学研究の詳細な内容や遺跡についての説明だけでなく、遺跡や遺物の美しさを伝える写真資料も数多く掲載されています。現代社会では知り得ない、はるか昔の青森の人々の暮らしに、思いを馳せてみてはいかがでしょうか。北日本の考古学愛好家や研究者だけでなく、学生、これから考古学を学びたい方、大学の考古学教育と研究を知りたい方などにもお勧めしたい一冊です。書店に並んでいたら目を留めずにはいられない美しい一冊に、是非手を伸ばしてみてください。
(担当編集員:土屋 陽子)
- 最小の病原-ウイロイド
- <編集者イチオシ!>
タンパク質をコードしない約400塩基のRNA分子(ウイロイド)が作物に大きな被害をもたらすことが発見されたのは、わずか50年ほど前である。この不思議な病原ウイロイドに関して体系的にまとめられた書籍は世界でもほとんどなく、日本語で体系的にまとめられた書籍は本書が初めてではないだろうか。ウイロイドによる作物被害の1つは、ホップの矮化病である。ホップは8世紀にドイツで栽培が始まったという記録があるにも関わらず、なぜ日本のホップに近年矮化病が発生したのか?その謎を著者が解き明かす。ウイロイドの発見から、ウイロイドによってなぜ作物が病気になるのか、ウイロイドの検定法の開発、そして、ウイロイドを防ぐためにはどうすれば良いのか、著者の研究者人生をかけて科学の力で解き明かす過程は、圧巻である。国内外の840を超える文献を丁寧に引用し、2024年時点でのウイロイドの全容が分かる植物病理学者必読の1冊である。
(担当編集員:柏木 明子)