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津軽はおもしろいシリーズ(1) あっぱれ! 津軽の漆塗り

  • 佐藤武司<著>
  • A5判・109頁・並製
  • 定価 1,320円(本体価格1,200円+税)
  • ISBN 4-902774-01-1
  • 発行 2005年3月15日

第1回弘前大学出版会賞(2010年)

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内容紹介

 いま、人々が地域の伝統文化について学ばなければならない大切なこと、必要なことは何か? そのことに気づかせてくれる教養書である。内容は、津軽という地域の漆芸に限定しているが、漆器製作の手引き書というよりも、日本の漆器「津軽塗」とは何か?という疑問に対して、津軽塗の定義、津軽において「塗」という語がもつ意味、津軽塗の歴史、江戸時代の漆塗手板、塗料である漆や漆器の保管の仕方までとりあげ、わかりやすくまとめている。特に歴史については、四百年の歴史をもつ津軽塗が、時代の流れに、どのように対応しながら伝承されてきたかがわかる。また、今日の漆職人たちがなぜ江戸時代の変わり漆技法にこだわっているのか?その理由は、創造的意匠のカラー写真を見ると、古くて新しい点にあることがわかる。

・関連書
日本語と英語で読む津軽学入門
ものづくりに生きる人々―旧城下町・弘前の職人―

目次

「津軽はおもしろい」シリーズ刊行にあたって
              ………(遠藤正彦)
「あっぱれ!津軽の漆塗り」の執筆にあたって
              ………(佐藤武司)
「あっぱれ!津軽の漆塗り」を喜ぶ
             ………(須藤としを)
カラーグラビア
Chapter1 津軽塗とは何か
 1. 産地にちなんで付けられた呼び名
 2. 元禄、正徳、享保の頃の漆工品の呼び名
 3. 若狭塗に似ている津軽塗
 4. 海底塗と唐塗を結ぶ磯草塗
 5. 弘前塗
 6. わからないことが多い津軽塗
 7. 塗の呼び名のいろいろ
 8. 「…塗」という語がもつ意味
Chapter2 津軽の漆塗りの歴史
 1. 津軽塗の始まり
 2. 池田源兵衛秘聞
 3. 江戸時代
 4. 江戸後期の漆工芸
 5. 明治時代
 6. 大正時代
 7. 昭和時代
 8. 津軽塗の産地診断
 9. 弘前城内の御塗師場絵図
Chapter3 伝統的工芸品津軽塗の塗り工程
 1. 唐塗について
 2. ななこ塗についてPART・1
 3. 紋紗塗について
 4. 呂色塗について
 5. 津軽塗の表面の粗さ
 6. 津軽塗のいろいろ
 7. ななこ塗についてPART・2
Chapter4 伝統とは何か
 1. 他領から技術を導入
 2. 塗師の知恵が支えた漆芸
 3. 津軽塗の徒弟制度
 4. 津軽塗の伝統
 5. ななこ塗、紋紗塗は他藩から来た
 6. 明治職人の大発明品唐塗
 7. 変化によって生き延びた唐塗
Chapter5 漆の器
 1. 漆塗膜の乾燥
 2. 漆塗膜はどんなことが嫌いか
 3. 漆塗膜はどんなことが好きか
 4. 漆器の手入れ法
 5. 漆器の保存法
Chapter6 漆の話
 1. 生漆の呼び名貯蔵の仕方
 2. 漆液の精製
 3. 生漆採取の手順
 4. 搔取用具とその使用法
 5. 漆かぶれ
 6. 搔子について
参考文献
津軽塗業界マップ
あとがきにかえて・著者プロフィール