憲法理論研究
- 堀内 健志 著
- A5判・687頁・上製
- 定価 12,571円（本体価格11,429円＋税）
- ISBN 978-4-902774-70-2
- 発行 2011年4月4日
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内容紹介
本書は、第一部「『憲法』概念と憲法学―国法学・序説」と第二部「憲法と人権・組織法―憲法の持続的構造連関」との二部から構成されている。第一部は、こんにちの憲法論がともすると判例研究に傾斜する傾向をますます強めているが、「国家」「法」「学問」「学説史」などに関する従来の伝統的公法学が築いてきた遺産との対話を維持しつつ、「憲法」概念に立ち返って本格的な憲法学の構築を試みようとしたものである。第二部では、「憲法」における「人権」と「統治組織法」という構成要素に注目する。これはもちろん近代立憲主義の保障目標とその保障手段という関係にあるが、さらには、そこに法規範学上の「行態法・組織法」という関係が潜んでいる。学問はより冷静にこの関連を吟味することに、今後の学術的意義を認めなくてはならないと稿者は考えている。
目次
憲法理論研究‐解題
目次
第一部 「憲法」概念と憲法学－国法学・序説
第一部緒言
第一部の概要
第一編 「憲法」概念と憲法学
第一章 「近代憲法」と「憲法」概念の多義
性、そして「実質的意味の憲法」
‐「憲法」概念と憲法学（その一）
第二章 ドイツ憲法（学）史を背景とする
「日本憲法学」‐「憲法」概念と憲法
学（その二）
第三章 「法的憲法」と「政治的憲法」とい
う言い方の比喩性‐「憲法」概念と
憲法学（三・完）
第二編 「統治」概念史
第一章 ドイツにおける「統治」概念‐その
現代国家における復興問題を視野
に入れつつ（その一）
第二章 ドイツにおける「統治」概念‐その
現代国家における復興問題を視野
に入れつつ（二・完）
第三章 英・仏国における「統治」概念
第四章 現代日本法における「立法」
「統治」概念
第三編 公法学方法論・その後
第一章 R・アレクシー「理性法体系の観
念と構造」・試訳
第二章 R・アレクシー「法実証主義批
判」・試訳
第三章 E・W・ベッケンフェルデ「法
の価値による根拠づけ論批判」
試訳
第四章 公法学方法論・その後‐ドイツ伝
統的公法学の遺産と現在
第四編 世紀転換期における公法学研究の
複合性
第一部後書
第二部 憲法と人権・組織法－憲法の持続
的構造連関
第二部緒言
第二部の概要
第五編 人権論と組織法
第一章 人権の法理論的分析‐分類・体
系をめぐるR・アレクシーの所
説に依拠して
第二章 行政改革論議にみられる「組
織法」論について‐組織法と内
部・外部法理・再論
第三章 憲法が想定する人間像
第四章 基本的人権の私人間効力論の
再構成をめぐって
第六編 立法・統治・地方自治
第一章 立法の法形式をめぐる諸問題
の分析視角‐思考モデルの虚像
と実像
第二章 憲法学上の「立法」をめぐる
最近事情について
第三章 法と政治の間の翻訳
第四章 「法の支配」論と「法律によ
る行政の原理」‐現代行政法学
の構造
第五章 「地方自治・分権」再考‐憲法
学研究成果と行政実務解釈との
間のアンビヴァレンツ
第六章 最近の憲法学の動向と問題点‐伝
統的公法学研究者からの弁明
第七編 個別的諸論点
第一章 政令の所管事項
第二章 唯一の立法機関
第三章 脳死・臓器移植問題の新展開
第四章 戦後ドイツ基本権理論の動向‐E・
W・ベッケンフェルデの所説に
依拠して
第五章 議会による「統治」のコントロ
ール
第六章 議場外の議員の個人的行為と懲
罰事由
第七章 明治憲法前の法令の効力
第八章 書評・加藤隆之著『性表現規制
の限界‐「わいせつ」とその規制
根拠』（ミネルヴァ書房、2008
年）
第九章 「国民主権」と「人民主権」
‐杉原泰雄著『憲法と国家論』を
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