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東日本大震災からの復興(1) 想いを支えに ―聴き書き、岩手県九戸郡野田村の震災の記録

  • 監修:李永俊・渥美公秀
  • A5判・244頁・上製
  • 定価 3,080円(本体価格2,800円+税)
  • ISBN 978-4-907192-09-9
  • 発行 2014年2月28日

第2907回日本図書館協会選定図書

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内容紹介

  「今、こうやって振り返ってみて、娘や孫たちにしゃべっておかなければいけないと思ったのは、この恩返し。世の中の人たちに。」
 本書は、岩手県九戸郡野田村の住民による東日本大震災の経験を「聴き書き」した記録である。震度5弱の揺れに襲われた野田村には、大津波が押し寄せ、全世帯の約3割の家屋が被害を受けた。この未曽有の経験とはどのようなものであったのか、またそれ以前の村の暮らしはどのように営まれていたのか、そして人々はこれからの未来をどのように思い描くのか。本書にはこうした、年代も性別も異なる19人の野田村民のさまざまな語りが、聴き取り者とのやりとりを含めて、まとめられている。筆舌に尽くしがたい震災の様子を、ときに涙しながら、後世のためになるならば、とお話をしてくださった。野田村はもちろんのこと、多くの被災地の復興に向けて、また次世代の子どもたちへの教訓としても、本書が寄与するところがあれば幸いである。
・シリーズ
東日本大震災からの復興(2)がんばる のだ―岩手県九戸郡野田村の地域力―
東日本大震災からの復興(3)たちあがる のだ―北リアス・岩手県九戸郡野田村のQOLを重視した災害復興研究

目次

はじめに
「皆さまのあたたかいお気持ちに支えられて」
 ……………………………………………大沢心さん
「三日三晩、スタンドで給油作業」…中川大和さん
「商工会青年部長としての思い」……大沢幸正さん
「ボランティアの受け入れ窓口として暗中模索の
 日々」………………………………小谷地要治さん
「子供たちの元気が大人に力を与えてくれる」
 …………………………………………小野寺勝さん
「最悪の状況の中、役場職員としてベストを尽く
 す」……………………………………大沢勝利さん
「負けたくねえ」……………………小谷地栄喜さん
「何もかも流されて」…………………澤口克男さん
「妹を家で介護した日々」…………小倉由希子さん
「一歩を踏み出す勇気がなかった」…仲川恭子さん
「お父さんが無事か気が気ではなかった」
 …………………………………………早野道代さん
「ボランティアの力はお金には代えられない」
 ………………………………………工藤ヤエ子さん
「津波から逃げて高台から見ると、自分の家がなく
 なっていた」……………………………畑村茂さん
「自分たちの本当の生活をとり戻す」
 ………………………………………久慈よしのさん
「仮設住宅から家の改築に通う日々」
 …………………………………………北田修宣さん
「五〇年かけて集めた道具を全部流した」
 ………………………………………北田浅五郎さん
「作物を作るだけではない農業の力」
 …………………………………………米田ヤスさん
「震災を乗り越えて、前へ」…………矢沢直樹さん
「とにかく逃げること」………………久慈一雄さん
おわりに

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