弘前医学 第59巻補冊 (第10回弘前国際医学フォーラム論文集)
内容紹介
1970年代より新興感染症や再興感染症が世界的な問題となっている。SARSや鳥インフルエンザがその代表例である。最近の研究では、鳥インフルエンザ感染症の重症化は宿主の過剰な免疫応答が関与していることが示唆されている。この結果は、重症感染症は病原因子と宿主免疫応答間の相互作用に依存していることを物語っている。宿主免疫応答は基本的には宿主防御に必須であるが、このように場合によっては病態因子として働く。一方、免疫系と内分泌系のクロストークに関する研究が盛んになっている。免疫系のサイトカインがさまざまなホルモンの生成や分泌を調節する一方、ホルモンがサイトカイン産生を調節している。本増刊号は、2006年11月に開催された「生体防御の新しい概念」と題した弘前国際医学フォーラム第10回学術集会の論文集である。国内外の招待演者および弘前大学大学院医学研究科の研究者達による感染症、免疫学、内分泌学とこれらの領域のクロストークに関する最新の知見が盛り込まれている。