周縁地域の自己認識 -津軽とオタゴの知識人を中心に-
- 郭南燕 編著
- A5判・208頁・並製
- 定価 1,540円(本体価格1,400円+税)
- ISBN 978-4-902774-17-7
- 発行 2007年2月19日
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内容紹介
本書は、北半球と南半球のそれぞれ「辺境」とみられる津軽とニュージーランドのオタゴ州の人々の心理状態と自己認識を取り上げ、歴史、言語、文学、産業、芸能、環境などの角度から、地方文化に貢献した知識人の役割を検討する論文集である。日本、ニュージーランド、米国に在住する十二人の研究者による「辺境意識とアイヌ史」(河西)、「津軽作家の周縁意識」(山口)、「北畠八穂の文学における津軽」(サワダ)、「津軽作家の自嘲表現」(郭)、「南島の周縁性とフレイムの文学」(ヒル)、「バクスターとダニーディン」(中尾)、「始まりの場所としてのダニーデン」(澤田)、「『リンゴ伝説』を考える」(北原)、「オタゴの華僑・華人たち」(テナント)、「周縁地域の地方音楽」(ジョンソン)、「原生林保護」(郭、スター、ビティ)という十一編の論文によって津軽とオタゴの文化の独自性と重要性を鮮やかに論証している。
目次
第1部 近代津軽の文化人と自己認識
第一章 辺境意識とアイヌ史-津軽言説のなかの歴史認識-……河西 英通
第二章 津軽作家の周縁意識-言語学的視点からの一考察-……山口 征孝
第三章 北畠八穂の文学における津軽-他者と出会う場所-……ハンナ・ジョイ・サワダ
第四章 津軽作家の自嘲表現-葛西、石坂、太宰、長部を中心に-……郭南燕
第2部 オタゴの周縁性と文学者
第五章 南島の周縁性とジャネット・フレイムの文学-自叙伝と『包囲の状態』を中心に-……ラクエル・ヒル
第六章 ジェイムズ・K・バクスターとダニーディン-死と再生の二年間-……中尾 まさみ
第七章 始まりの場所としてのダニーデン-ルース・ダラスと距離の問題-……澤田 真一
第3部 周縁地域に生きる人々と自然・産業・文化
第八章 「りんご伝説」を考える-文明開化期津軽のウエスタンインパクト-……北原 かな子
第九章 オタゴの華僑・華人たち-周縁化された人々の悪戦苦闘-……エドワード・テナント
第十章 周縁地域の音楽-ダニーディンと津軽地方-……ヘンリー・ジョンソン
第十一章 原生林保護-青森とオタゴの周縁性-……郭南燕,ポール・スター,ジェームス・ビティ