弘前医学 第64巻補冊 (第13回弘前国際医学フォーラム記録集)
内容紹介
この弘前医学増刊号は、2011年9月9日に開催された第13回弘前国際フォーラム「Innovation in Transplant and Regenerative Medicine」の記録集である。肝移植や腎移植などの臓器移植とiPS細胞、ES細胞などに代表される幹細胞を利用した再生医学は人類の夢と希望を実現させるポテンシャルを持った研究領域であるが、同時に高い倫理性も要求される研究領域である。
臓器移植は免疫抑制剤と移植技術の進歩によって生着率が向上し、従来不可能とされてきた血液型不適合移植も可能になってきた。また、クロスマッチテストや抗体スクリーニング法も長足の進歩を遂げている。その一方で、脳死ドナーや生体からの臓器提供には法的、倫理的に重要な課題も存在する。
幹細胞を用いた再生医療が実際に臨床応用の日の目を見るまでには多くの関門が存在するが、脂肪組織幹細胞を用いた再生医療は比較的参入が容易で、大学が取り組むべき魅力的研究テーマである。
この補冊には移植再生学の最新のエッセンスが盛り込んである。第13回弘前国際フォーラム「Innovation in Transplant and Regenerative Medicine」とその記録集が本学の移植再生医学発展の一助となれば幸いである。